●2002年初春...2002.1.2

ついに2002年となりました。

昨年9月にアメリカの中心であったテロ事件からもう３ヶ月も経っています。地下鉄サリン事件からはすでに両手で数える年月が過ぎ去っています。

ＴＶゲームの隆盛とは別に世相は不況であり、デジタルな世界とアナログの世界とのギャップはますます離れていっています。

テロとＴＶゲームは別次元とは思いますが、道具としてみればそれらは（飛行機やらゲーム機）そう違うものではないと思います。ウサマが人間と飛行機を道具にして自分の考えを実行した、オーム真理教の教祖なるものが同様にふるまった。ゲーム機を外で遊ぶ換わりに使って仮想現実を楽しむ。携帯電話でコミュニケーションをとりあい、実際にあったこともない人間とのやり取りの中で癒されたり癒したり......。

そこにはナマの人間の交流はなくて、手段としての情報交換があり、実際にその通りのことを実行する手段としての人間がいる。外で遊ぶ子供達は校庭にも公園にもなくて、テーマパークやゲームセンターに人の流れができている。映画館は廃れて地方都市には（市町村以下の規模）無くなった。もちろん巡業の劇団が八幡さんの境内で踊り奏でることはない、体育館での映画上映もない。人は一戸建てやアパートメントの個室でレンタルしたAV（オーディオビジュアル）を愉しむ、雑踏や人いきれの中で楽しむ行為事体がお祭り意外にないようです。ですが、お祭りを過ぎた街の中は富士宮市だけ見ると寂しい街並で、人通りは年寄りが数人程度です。郊外の大規模店鋪は客でにぎわっていますが、中だけで外はマイカーの移動空間です。

うーん.....なんていうか、つまんないんですよね。こう汗臭くてたばこの煙りとかがあって、たき火とかその周りの人の笑顔みたいなのが極めて限定された機会やセットの中でしか観られなくなってきたことに対するノスタルジーのような感情が、前記のテロやＴＶゲームの反面のような気がしていまいましいんです。

訳あって沖縄に行く機会や人のつながりがありますが、こちら（内地）になくなったものがまだ健在なんですよね。「モノ」でなくて心のやりとりみたいなことが、とても普通にとりかわされている、NHKの「ちゅらさん」もわたしのようなそろそろ中年世代にも現代っ子にも受けた理由は、日本人がDNA単位でもっている自然回帰意識や田舎への憧れがベースにあってふつうに「受けた」んではないでしょうか。番組の中には酒場やアパートメントの中の人のやりとりがあり、ＴＶゲームを楽しむことはないですよね。生活の大半を人と人とのやりとりから学び、悲しみ、よろこぶ風景の描写が占めていました。

現代社会では、仮想現実を実現した手段であるコンピューターやゲーム機、インターネットを利用したバーチャル店鋪というものに価値を見い出していて、実際に店を開いたりモノを作ったりしている製造現場には価値がないように人がふるまっています。だけど、八百屋のおばさんが朝市場にいって仕入れた野菜をはだかのまま売っている店には足を運ばず、パックされた商品をスーパーにいって購入している。レジで無言で支払いを済ませて駐車場から自宅に向かう。井戸端会議は携帯電話のメール交換になり顔を突き合わせての内しょ話や大声を出して笑う機会は無いに等しくなっていく。国をあげてネット博覧会なるものを実施したが、それは仮想現実の最たるもので博覧会ではなくてただの陳列であったらしい。博覧会には人が主役としていて、テーマパークのようにテーマがあるのである。モニターやＴＶ画面には空気や「間」がないので感激もないんですよね。

機会があればふらっと旅に出て地域の人とのなんでもない会話をお勧めします。そこには未知との遭遇があり、感動があります。

ソフトテニスひとつとってみても、試合や大会の経過や結果をたとえ本人から聞いたり写真を見ても、感動は伝わりません。現場で一本一本の結果に嘆いたりため息したりして一日を快い疲労で終える、こんな簡単なことで子供達と今まで感じなかった繋がりを見つけたり構築できる。顧問の先生やコーチとの関係も、会場で得るものとたまのテニスコートで得られるものとは比べ物にならないくらい濃密なものになります。一緒の時間を共有できる愉しみをぜひとも今年実現していただきたいです。つまらない平凡な生活かもしれませんが、ささやかな愉しみとして私は実践していて子供達からすごくおもしろいモノを吸収しています。ライブコンサートと一緒です。感動は現場から.......

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